「環境ホルモンとしてのBHA」
環境ホルモンとは──この言葉に相当する英語は「hormonaly active agents」です。従ってその意味は、前者からは「環境中にあるホルモン」、後者からは「ホルモン作用がある物質」という意味だと思います。
1995年、スーザン・ジョブリングらの報告──20種類の化学物質についてその女性ホルモン作用を検討しています。以下が検討対象になった化学物質とその実験結果です。
「女性ホルモン作用があったもの」
* エストラジオールがレセプターと結合するのを抑制する。
@ 培養乳ガン細胞の増殖を促進する。
「女性ホルモン作用がなかったもの」
●BHT=butylated hydroxytoluene= JECFA(WHO)第51回会議(1998年):
データを提出した11ヶ国のうち3ヶ国で、平均概算摂取量はADIを越えている。10ヶ国でBHAを多く摂取する消費者では、ADIを越える傾向にあるが、人数、程度、期間についての有効なデータはないと報告した。
BHAの経口一回投与での、体内動態を報告した論文があります。
「Disposition of single oral doses of butylated hydroxyanisole in man and rat.
Fd. Chem. Toxic. Vol.27, No.3, pp. 151-158, 1989.」
要約すると以下のとうりです。
・2,20,200mg/kgをラットに、0.5mg/kgを人に投与した。
・ラットの2,20mg/kg投与ではプラズマ中の濃度測定は不能。
200g/kg投与で、100〜400ng/mlのピーク濃度であった。
・ヒトでは53〜255ng/mlのピーク濃度であった。
・ラットで24時間後の脂肪組織内濃度は、0.7〜6.8マイクロg/g
・ヒトでもラットでも、BHAは o-demehylted され、さらにTBHQ
(ter-buthylhydrooxyquinone)になる。
・4日のうちに、尿と糞に、ヒトでは49%が排出され、ラットでは95%
が排出される。
・詳しいことは省略しますが、ヒトとラットでは動態にかなりの差がありま
す。
・論文の中で気になる点が一つ。それはBHAを添加しなかったグループの
プラズマ中にもBHAがわずかに検出された点です。著者らは、飼料の原
料にすでに入っていたものであろうと言っています。
(続く)
宮千代加藤内科医院(仙台市)のホームページ
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