最新情報・平成19年3月27日・毎日新聞

 『抜け毛促すたんぱく質』

 比較的、大きな目立つ記事です。勿論、自分にとっては目立つが、他の多くの人々にとっては目立たない記事かも知れません。見出しを読んで、「アーたんぱく質が悪かったのか、今朝食べた卵も良くなかった、と思って、読み始めました。「ライオン生物科学研究所」のチームがあるたんぱく質を見つけたのだそうです。ライオンのあのタテガミを連想して、読み進めました。「NT−4」たんぱく質が毛根の母細胞をアポトーシス(自壊)させるというのです。TNT火薬より恐ろしい破壊力を持つたんぱくのようです。私は母の胎内にいた頃からハゲていたので、母の作ったたんぱくが毛根の母に作用したらしい。母と母のぶつかり合いです。その背後には男性ホルモンがあるというのですから、話は複雑です。
 さらに研究チームはTNT火薬でなくNTー4たんぱくを抑える生薬や植物、海草など約300種類の候補を探したそうです。地雷兵器をさがすより大変だったでしょう。そしてたどり着いたのが沖縄。オキナワモズクだというのです。沖縄の人々は毛深い!もずくは時々食べていたがオキナワモズクにすれば良かった、と後悔を感じつつ、納得したのですが・・・まてよ、沖縄の人々が毛深いのは縄文人の遺伝子が多いからでなかったかな?全員がそのモズクを食べている訳ではないし。
 最後に・・・モズクの成分を体に塗るんだそうで、食べるのではないと、ありました。そうだ!風呂にモズクを入れるのだ。ハゲ属の人々はこの記事を読み終えた頃には、私と同じ結論に達したはずです。今晩あたり、全国のスーパーマーケットの店員は、帽子をかぶった男性から、「オキナワモズクは売っていますか?」という質問攻めにあうでしょう。そして、それがないと分かると、せめて普通のモズクでもと、買って帰るでしょう。そしてお風呂に入れます。家族が風呂に入ったあと、密かにお湯に加えるのです。そして数日たって鏡を見ます(正確には鏡の中の頭頂部を)。物事を何でも希望的に見る男性は、「アッ生えてきた」と思います。物事を何でも悲観的に見る男性(私ですが)は、「な〜んだ、変わらない。食べても、風呂に入れてもだめか〜」と心の中でつぶやきます。そしてモズクの記事は心の中で海のモクズになるのでしょう。排水管が詰まって、「なぜこんな物をお風呂に入れたの」と、答えるのに苦しい質問を浴びたり。
 育毛剤として商品化するそうですから、ライオンによってオキナワのモズクは買い占められるかも。環境問題を考える人々は米軍基地問題より、ジュゴンの問題より、もっと基本的な大問題と考えるかもしれません。「沖縄のモズクを守れ!」
 しかしモズクはハゲ属の犠牲になって、我々にライオンのタテガミをもたらす救世主になりそうです。


『ハゲの人を励ます会』について


 平成11年の年賀状で以下のように書きましたので、一応、一人でこのような会を設立します。なお平成12年の年賀状を後ろの方へ載せました。

謹賀新年  皆様、お元気で新年をお迎えのことと存じます。小生、昨年は「正露丸の安全性を考える会」を結成し、活動してきました。本年は新たに「ハゲの人を励ます会」を発足いたします。最近、カツラや増毛の宣伝に惑わされ、自然主義の人がめっきり減ってしまいました。それで当面は一人での出発です。しかし英国議会でカツラの使用を止めたように、脱カツラはこれからの世界の流れだと思います。我々はシャンプーの使用量が少なく、河川・海の水質保持に貢献しており、ご飯などに毛が混入していた場合も、比較的自信をもって妻に抗議できます。その他、数々の利点があり、その体験をインターネット上で語り合うことにより、希望を持って生きようという新しいタイプの自助グループです。「毛が増えたら、笑顔が増えた」などというカツラメーカーの偏見広告への抗議、毛の量に応じた散髪料金を求めるなどの活動も考えております。では本年も宜しくご厚誼の程、お願いいたします。
 
 平成11年元旦            加藤純二

 参考:「ヨーロッパ人はなぜカツラをつけていたのか?」『世界史の舞台裏』より(歴史の謎研究会編、青春出版社、2006年7月)

   カツラというと、今の日本では「こっそりかぶるもの」という意識があるが、ヨーロッパ史をふり返ると、事情はかなりちがう。ふさふさした巻き毛をたれ下げたルイ一四世。長い巻き毛をリボンで後ろに結んだルイ一五世。白髪をくるくるにカールさせているバッハやヘンデル。彼らの肖像画を見ると、カツラを恥ずかしがるどころか、むしろ堂々と見せびらかしているように思える。じっさい、ヨーロッパには、カツラが紳士の身だしなみに欠かせないアイテムだった時代があった。
 カツラがヨーロッパで"市民権"を得たのは、一六世紀以降のこと。とくにフランスでは、ブルボン王朝でカツラ文化が一挙に鼻開いた。流行のはじまりは一六二〇年代、アン王妃の不貞などに悩まされていたルイ一三世は二二歳ごろから若ハゲがすすみ、やむをえずカツラをかぶることになった。すると、それを気まずく思った廷臣らが、王にならって自分たちもカツラをかぶり始めた。「みんなでかぶれば誰がハゲかわからない」という理屈である。これが、やがてフッションのひとつとして、フランス宮廷に定着するのだ。
 次の太陽王「ルイ一四世」は、はじめはカツラの流行を好ましく思わず、宮廷内での使用を禁じたが、自分も早々と薄くなってしまったため、結局カツラを解禁した。以来、ルイ一四世は無類のカツラ愛好家になり、さまざまなデザインのカツラを時と場合に応じてかぶり分けるほどになった。ルイ一五世のロココ時代になると、カツラ文化は頂点に達した。当時の流行は、前頭部をくるくる巻きに し、後ろ髪を優雅にリボンで締ぶスタイル。また、宮廷音楽家がサロンに出人りするときにも、カツラは必需品だった。男性のカツラは、エレガンスの象徴だったのである。こうしたカツラ文化は、一九世紀に急速にすたれてしまうが、現在までその名残りをとどめている場面もある。イギリスの上下議院の議長や、高級裁判所の裁判官などがそうで、ふさふきした巻き毛のカツラを権威のしるしとして、彼らは今もかぶり続けている。

 反応(1)

 大牟田市YSさん――年賀状ありがとうございました。「ハゲの人を〜会」にはいずれ私も入れてもらうかもしれませんので宜しくお願いたします。私も祖父(ハゲ)の血を引いていますので、遺伝的要素は充分ありますので。今のところ、生え際の後退がやや進行している状態です。(後略、1月某日)

 反応(2)

 近所のある患者さん――「入会します。」(そのただひとことでした。ともかく会員数はこれで倍増しました。)(2月某日)

 反応(3)

 某新聞社から取材あり。年賀状を読んで、興味を持ち、いろいろなグループ活動の紹介記事の中に入れたいとのこと。「会員数が100人くらいに増えたら、お願いしたいところだが、今のところ、取材はお断りしたい。(特に写真撮影はお断りしたい気持ちが強い。)」(3月某日)

 自問自答(1)

 なぜハゲは肩身が狭い(と思ってしまう)のか?私はこれは「思いこみ」だと考えています。実は肩身など狭くはないのです。(額が広いのです。)マスコミによるマインドコントロールなのです。そしてマスコミを裏で動かしているのは、私が見抜くところ「カツラメーカー」なのです。少し飛躍してしまいますが、この黒幕は、ハゲの人々を不安と対人恐怖の淵に追いつめ、「自殺かカツラか」の選択を迫ることにより、売り上げ増加をもくろんでいるのです。(4月某夜)

 ハゲてて良かった(1)

 数年前のこと。たまたま午後、時間があったので、仙台駅近くのシルバーセンターにあるプールへ泳ぎに行きました。夜には数回行ったことはあるのですが、日中に行ったことはありませんでした。自販機でキップを買い、係員に見せて中へ入りました。いつもより人数が多くて、お年寄りが多いな、とは思ったのですが、適当に泳いだあと、出ることにしました。利用時間が二時間以内だったことを証明するために、キップを係員に見せることになっています。そうしたら係員が、「夕方5時まではお年寄り専用になっています」と怒ったような顔で言うのです。
 「私の頭を見て、お年寄りと思って通過させてくれたのでしょう」と言うと、急にニコニコとして納得してくれました。キップをよく見なかった係員は、私を高齢者と見て、入場を許可したのです。そのために、私は時間を有効に使うことができたのです。私は「ハゲてて良いこともある」と改めて認識しました。(5月某日)

 PTSDをはねかえす(1)

 私が理髪店へ行かなくなったのにはきっかけがあります。ぼうず頭を止めて髪の毛を伸ばし始めた約30年前、理髪店に行きました。座って、白い布を首から下へかけられて、若い女性の理容師さんが叫んだ言葉が次のようなものでした。「店長!私できません。お願いします!」(PTSDとは精神的外傷の後遺症です。以降、私は自分で散髪したり、家族にしてもらったりで、ざっと計算して、金額にして100万円以上、時間にして360時間以上を節約したことになります。今ではあの時の理容師さんの言葉は正直で悪意がなかったと思います。私の受け取り方の問題だったのです。では私の受け取り方の問題は、どう私の心の中で形成されたのでしょうか。このことの分析がなくして、全国の同病者の回復はあり得ないと思うのです。(5月某夜)

 新薬について(1)

 バイアグラに続く話題の新薬が米国で登場・発売された。プロペシアという「禿頭症治療薬」だと言う。私の意見はあとにして、その医薬品についての薬事情報誌の記事をここに紹介しよう。
 「頭髪が気になる男性諸氏にとり、耳よりな薬が昨年1月、米国で発売された。禿頭症治療薬のプロペシア。文字どおり禿の薬で、……開発前の臨床試験には、中等度の薄毛の男性1,900人が参加。1年間、この薬を服用するグループと、外形は同じだが薬効のないプラセボを服用するグループに分けたところ、毛髪の数が増加または不変だった割合は、プロペシアが約80%、プラセボは30%であった。脱毛は、男性ホルモンのテストステロンが酵素により変換されてできたデヒドロテストステロンの働きに関係している。プロペシアは、変換酵素の作用を妨げ、脱毛を抑えるという。開発した米メルク社の関連会社、万有製薬によると、効果があるのは毛根の細胞が生きている場合で、若い人の方が効果が出やすい。それでも元通りフサフサになるわけではなく、夢の特効薬ではない。
 開発は思いがけないことから始まった。メルク社の前立腺肥大症治療薬の臨床試験で、患者の毛髪が増える「副作用」が出たことから、育毛効果が分かり開発された。……先月申請された性機能障害の薬「バイアグラ」同様、病治すというより、生活の質を改善する薬が登場する時代になった。」(平成11年2月21日の記事。「喜べ!万国の禿頭者(とくとうしゃ)!」と言っていいのかな?)(6月4日)

 保険薬について(1)

 新薬の登場を願う前に、すでに保険薬として使われている「発毛剤」があります。第一製薬が製造している「フロジン液」で、成分は塩化カプロニウムという何やら効きそうな名前の緑色をした液体です。すでに特許が切れているので、他のメーカーも「アロビックス」とか、「カプロン液」とかいう名称で出しています。
 私の医院へも「ここで脱毛症の治療をしていただけるでしょうか」などと言って来る「医院への予備知識」がない人がいて困るのです。一応、上記の薬を仕入れて、どうしてもという患者さんには出すようにしているのですが‥‥。
 私に限って言えば、この薬は無効でした。私の場合、その効果を科学的に確かめるため、実験動物(私)が一頭なので、薬を頭の右半分に塗り、約30日間それを続けました。頭の右半分だけがフサフサとなったのでは、これも困ると半分、心配もあったのですが、幸か不幸か、効きませんでした。しかしメーカーは反論するでしょう。「毛根がなくなっている場合には効果が現れにくい」と。プロペシアの場合でも同じようなことを言っています。メーカーの深い読みに脱帽です。(6月15日)

 書籍について

 ――書籍といっても、書籍一般のことではない。ハゲに関する本、それもハゲの治療・予防に関する本のことである。いわく『ハゲは治る』、『ハゲそうになったら読む本』、『驚異の育毛術』、『こうすれば頭に毛がもどる』などなど、日本全国の1,500万人の購買可能者をタ―ゲットとする書籍のことである。中にはあきらめの境地に達した人々を対象にした、『ハゲに誇りを』とか、『いかにハゲるか』などという本もあります。(中には書名が正確でないものも含まれているかもしれませんので、書店へ問い合わせはしないでください。)小生は本屋や古本屋に行った時、この手の本が目に止まることがあります。若かりし頃には、書店の戸棚からそれを手にとることすら、何となく気がひけたものです。ましてその本を、レジの若い女子店員に渡すことなどできませんでした。
 しかし今は、この手の本を収集するようになりました。私には本の収集癖があるのかも知れません。世の中には『ヘアヌード集』を集めている男性も多いものです。この手の本もレジで女子店員に渡すことに気がひけるものです。
 つまり毛ほど男性をとりこにし、悩ませるものはないのです。さてここから、『ヘアヌード集』はインターネットのアダルトサイトに譲るとして、ケに関する書籍の紹介を、次回からしていきたいと思います。(9月某日)

 またまた新薬情報

 ――「2週間で毛ふさふさ:壮年性脱毛症の遺伝子治療、米の大学、マウス実験に成功」と題して;

 人体組織の発達を促すタンパク質を毛を剃ったマウスの皮膚に注射して、わずか2週間でふさふさした毛を生やすのに成功したと、コーネル大の○×博士らが10月6日までに米医学専門誌に発表した。……博士らは、胎児の段階で作用し毛の毛根にある毛包や脳などの組織を発達させるタンパク質の遺伝子「shh」に注目。はげは毛包組織が「休眠状態」になって起こると考えられることから、同遺伝子で毛包を再活性化する治療を試みた。
 無害化したアデノウィルスに同遺伝子を組み込んで、体の毛を剃ったマウスに注射。その結果、マウスは注射をした部分だけ2週間でふさふさした毛が生えた。……博士らは、いわゆる若はげにも効果があるかどうか、今後、研究を進める考えだ。(河北新報、平成11年10月7日)

 ――毛を剃ったマウスだと毛包はあるわけですから、毛の密度が増えたのならまだしも、毛が長かっただけなら理屈に合わないようなケがします。私は生まれた時にすでに毛がなかったそうで、産婦人科の先生はきっと他に何かほめる必要を感じたのでしょう。私の母に「この子はいいミミタブをしている。きっと一生、お金に困ることはないでしょう」と言ったそうです。母のその話を聞いたときから、私はお金に困っているのだろうか、困っていないのだろうかと迷ってばかりいます。借金がだんだん大きくなるので、お金に困っていると思うのですが、「借金できるだけ、担保力ができている」などと妙な理屈をつけると、産婦人科医の言ったこともウソとはいえません。要は毛も金も、気の持ちようなのでしょう。でもあきらめないで、ハゲの人をハゲますため、博士の研究の成功を祈ります。

 新薬について(2)

 リアップの馬鹿売れと副作用――バイアグラ並みの大型商品になると大正製薬が期待して売り出したリアップは、6月の発売から5ヶ月で400万本が売れたといいます。(朝日新聞 平成11年11月10日)

 使用者は100万人と推定していて、1日1mlを2回塗るといいます。1本が60mlで1ヶ月分ということになり、月に1本で5千5百円します。
 動悸、胸痛などの副作用が500人に見られたそうですが、これは多くの観衆にハゲを注視された場合も起こる症状ですから、我慢できるでしょう。
 1月5千5百円するのも、副作用もなんのその。ただ塗り続けて半年以上して、結局、ハゲに効果がないと分かったときどうするのでしょう。薬局あるいはメーカーに行って抗議するほど我々ハゲ族は勇気がないのです。やっぱりあきらめと逆転の発想、つまりハゲを誇りとして生きる生き方をとるのが、浪費と絶望を避ける最良の手段だと、当会は主張するのです。

 やっとハゲに関する書籍のこと(1)

 『あなたの脱毛・ハゲは私にまかせなさい』定価850円、リヨンブックス、高橋日出彦著、1992年。
 小生の本箱に眠っていたのをとりだして眺めてみました。副題「4ケ月で若々しい髪がどんどん生えてくる高橋博士の新プロペシア治療法」とあります。新プロペシア療法とあるので、旧プロペシア療法はだめだったのだなーと、もう中身を読む前に私は悲観的です。「私にまかせなさい」なんて書いてあるのに、8年間も本棚に置きっぱなしだったのです。まかせなかった私が悪かった。すでに遅かった。次には『対応が遅すぎたハゲに効く新・新プロペシア療法』という本がほしい!

 ハゲに関する書籍のこと(2)

 『ハゲるまえに読む本』定価680円(古本屋で300円)、永岡書店、須藤武雄著、昭和54年初版。

 仙台で最大の古本屋・万葉堂で見つけました。探していた本のテーマは別だったのですが、見つけたとたんに買ってしまったのは、宿命と言うべきでしょう。生まれた時にすでにハゲていた私には、残酷な書名です。しかも、副題が「ハゲはあなたの努力で防げる!!」とあり、その理屈でいくと、私は母親の胎内で、努力しなくてはならないのです。まあ、それはともかく、裏表紙の内側には「ハゲの十徳」というのが書いてあります。

→以下は、私の経験から訂正した「ハゲ十徳批判、はげ十損」です。
 
 @宴会では上座に座れる
  ←老けて見えるので、同級生などとバーに入ると、担任の先生と間違えられる。
   しかも、請求書が渡されることが多い。
 A夏は涼しい
  ←実感としては、涼しいと感じたことはない。夏は直射日光を肌で感じる。
 B整髪料がいらぬ
  ←これは本当だと思います。ジワーと天然の油(整髪料)が自然に出てきます。
   しかし、これって整髪料なのかな?
 Cハイトマルスベル
  ←ハエは足の裏に滑り止めがあって、垂直のガラスにも止まれるのですぞ。
 D撲られても棒がすべって痛くない
  ←クッションがないので、よけい痛い。
 E電燈代用
  ←頭が自ら光ることはないので、やはり電灯は必要。
 Fフケやしらみのたまる心配がない
  ←これは多少は正しい。しかし、しらみはもういない。
 G氷枕のときにききめが多い
  ←ききめが強すぎて困るのが現実。
 H女房に妬くかれる気遣ひなし
  ←妬くか妬かぬかは女房の問題であって、こちらの問題ではない。
 I親しみやすく、愛嬌がある
  ←少なくとも私は、親しみにくく、愛嬌がない。ザンネーン。(2/17/2005)

 

 

  平成12年の年賀状です。

謹賀新年  お元気で2000年をお迎えのことと存じます。小生、昨年は「ハゲの人を励ます会」を結成し、活動してきました。当初、会員が倍々と増えて4人となり、好スタートを切りました。しかし植毛・増毛に関する技術や薬品の宣伝はすさまじく、特に大○製薬発売のリアップは大きな売れ行きを見せました。我等ハゲ族の誇りに決定的ダメージを与えた事件は、大○府知事・横○氏のセクハラ事件でした。某テレビ局は「ハゲだからセクハラ事件を起こした」と解説し、小生は抗議のファックスを送れぬ程、まさにノックダウンされました。また励ます会が「ハゲ(を)増す会」のような語呂で良くないという指摘もあり、ハゲを気にしない会、ハゲを誇る会、ハゲ虐待防止ネットワークなどと考案しているうちに年末を迎えました。もっと本業に専念するようにとの圧力もあり、この会は発毛的に解消し、ホームページで続けます。本年は原点にもどり「酒を避ける会」にします。宜しくご厚誼の程、お願いいたします。
 
 平成12年元旦            加藤純二

 

 励ましのお手紙を頂きました!

 7月に髪の毛関連のこのホームページを見てから、私は、自分の「励ます会」を作ってほしいと思うほど、ショックを受けて、未だに立ち上がれません。私は、今まで男性の髪の毛を気にしたことがありませんでした。髪の毛が少なくても「すてきだな」と思う人が沢山いました。私にとっては髪の毛とその人の「魅力」は関係ありませんでした。
 それなのに「男性は、髪の毛でこんなに苦しむんだ」と初めて知り、それなら、「あの人も、あの人もみんな苦しいの?数え切れない位の大勢の人が苦しいの?」そう思ったら胸がつぶれそうで生きていくのも辛いくらいです。
 自分の近くに苦しんでいる人がいたら「私には何が出来ますか?」と手を差しのべるのが人間だと思います。でもこれだけは、私には何もできません。私の髪の毛をあげることも出来ません。カツラメーカーに「変な宣伝しないで!」と文句を言いに行くことも出来ません。
 「髪の毛で苦しむ男性を見て苦しむ女性を励ます会」を作って下さい。「私たち女性には何が出来ますか?」教えてください。私には何も出来ませんが、一人の女性として、今、思うことをお話しさせてください。
 男性同士では、私はよくわかりませんが、女性は、男性が思っているほど男性の髪の毛を気にしていないと思います。その人と髪の毛は関係ないと、思っていると思います。どうしてかというと、その人が持っている身体的特徴を指摘したり、差別したりするということは、人としてやってはいけないことだとわかっているということもありますが、皆様のお母様が女性だからです。女性は、経験的に、子供は完璧には、生んであげられないことを知っています。
 女性が生んだほとんどの子供たちは、人には言わなくても様々なコンプレックスを持ち、人生をすごします。母親は「ごめんなさい、でも、どうか強く生き抜いて」と願い続けます。
 一人の人間として、一人の母親として、一人の将来母親になる女性として男性を髪の毛のことで、心を傷つけたり,「すてきではない」と思うはずがありません。そんなことをしたら自分の子供を、傷つけることになります。
 もしも、髪の毛のことで、冷やかす女性が、いたとしてもそれは「私は気にしてないのよ、だから、あなたも苦しまないで!」という、その女性の気持ちの裏返しだと思います。でも、もしも、本当に悪意で皆様を傷つける人がいたら、その人は「人として間違っている」と無視していいと思います。
 だから、もしも、皆様を見つめて、ほほえみながら話しかけて来る人がいたら、どうぞ、少しの勇気と自信を持って見つめ返してほほえんでください。そうじゃないと相手の人は嫌われたと、思ってしまいます。
 皆様のお母様は、皆様の心を苦しめるためではなく、幸せにするために、皆様を生みました。手術や、かつらなどの苦痛を与えるためでもありません。「自然なままでこの子らしく」と願っているはずです。
 その人が、その人の周りの人たちのなかで、大切な人となることに、髪の毛は、関係ありません。
 どうぞ、自信と勇気をもって、一歩を踏み出してください。髪の毛のことで、男性が商業主義の犠牲にならず、苦しまず幸せに暮らせる社会に早くなるように祈っております。

 (ご投稿、ありがとうございました。やっと世の中が明るく見えるようになりました。これからは安心して女性の近くを歩けると思いますので、仕事にもハゲみがでると思います。──あれ、まだこだわっている!)

 


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加藤純二


 

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