大衆をだまして事業を推進するのはよくない:例2ー有効性はあるのか?
 


 下の図は佐賀県で行われた歯科保健シンポジウム「フッ素、正しい情報を見分けよう!」についての佐賀新聞の記事に使われた図です。集団フッ化物洗口を10年やって虫歯が半減したという内容です。


 しかしこの10年でフッ化物洗口をしなくても虫歯は半減しています。下の表を見てください。

 自然減を差し引くと、フッ化物洗口の効果など半減どころか3、4%にすぎません。確かに「正しい情報を見分けよう」 ですね。

 研究結果の信憑性は、次の順序で高くなると考えられています。

 ◆ 試験管内や実験動物の研究 < ヒトにおける研究

 ◆ 学会発表 < 論文報告 < 後ろ向きコホート研究 < 症例対照研究  < 前向きコホート研究 < 無作為割付臨床研究 (RCT) < システマテック・レビュー(RCTを集めて評価)
(注:コホートとは古代ローマにおける歩兵隊の単位。疫学では、共通の因子を持った個人の集合という意味で用いる。)

 2003年11月にフッ化物洗口に関するシステマテック・レビューが発表されました。
「フッ化物配合の洗口、ジェル、バーニッシュについて、それら(単独)の効果と歯磨き剤と併用した時の付加的効果」2004年、Issue 4 (25 November 2003)です。
 題名:Combinations of topical fluoride (toothpastes, mouthrinses, gels, varnishes) versus single topical fluoride for preventing dental caries in children and adolescents
 著者:Marinho VCC, Higgins JPT, Sheiham A, Logan S
(http://www.mrw.interscience.wiley.com/cochrane/clsysrev/articles/CD002781/frame.html)

 この最も信頼性の高いレビューの結論は、「歯磨きをしていれば、フッ化物洗口には有効性はほとんどない」 というものです。しかも、世界中から一定レベル以上の論文を集めて評価した結果、日本からの報告はそのレベルに 達したものは一つもないことも記されています。これについて、我々12団体がまとめて各方面に配付した文書は 次のようなものです。(本文の中に、上記の新聞記事についても詳しく書かれています。)

「フッ化物洗口の本当の有効性はどのくらいか?」  

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